2023年1月18日
投資見通し
資本市場の鈍化で注目される米国のプライベート・クレジット
新型コロナウイルスの感染拡大期間を含め、過去 10 年以上にわたって、投資資本の流れはほぼ一方向、つまり市場に流入してきました。それは、2008 年の大不況以降、米国連邦準備制度理事会(FRB)が低金利を維持してきたためです。パブリック・クレジットは、ローンも債券もその恩恵に浴しました。しかし、視点を変えて 2023 年を見据えると、利上げや量的引き締めが資本市場やプライベート・クレジットに与える影響を検証することが重要となります。
2023年のプライベート・クレジットを形成する各要素
- 新規のパブリック・クレジットの発行が停滞する中、プライベート・クレジットはより大規模かつ質の高い発行案件が増えています。
- プライベート・レンダーは、ドライ・パウダーに対する需要の増加に加え、景気後退リスクもあるため、より慎重に案件を選別しています。
- 経済の不確実性により M&A 活動が鈍化していますが、独自のディール・フローを有する投資運用会社は、相対的に質量ともに優良な案件に参加することができるでしょう。
- 経験が非常に豊富なプライベート・クレジットの投資運用会社は、あらゆる景気サイクルにおいて、投資家として魅力的な条件を引き出し、デフォルト・リスクが低い、分散されたポートフォリオを維持することができます。
- 発行案件が減少している中、幅広いプライベート・キャピタルによる資金調達手段とスポンサーとの深い関係を備え、ディフェンシブなセクターの発行案件に参加できる投資運用会社は、優良なレンダーとして認知されるでしょう。
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